QTTabBar マニュアル for version 512


コマンドアイテムについて

QTTabBarは、コマンドアイテムを一つの単位として管理します。コマンドアイテムは、編集することでさまざまな機能を持ちます。

コマンドアイテムの種類

コマンドアイテムには以下の種類があります。
  • ベーシック コマンド
  • アドバンスト コマンド
  • ファイルとフォルダ
  • グループ
  • プラグイン
ベーシックコマンド
以前のバージョンのボタンバーにあったボタンの機能を含んでいます。
アドバンスト コマンド
コマンドによっては引数を要求するものがあります。
コマンドの引数/戻り値を組み合わせて高度なコマンドを組むことが可能です。
ファイルとフォルダ
ファイルを実行したり、フォルダをタブとして開きます。
グループ
QTTabBarに登録されたグループを開くことができます。
プラグイン
プラグインによって追加されたボタンです。

コマンドアイテムのオプション

コマンドアイテムに共通なオプションには以下があります。

ラベル コマンドの名前です。ボタンやメニューのテキストになります。
コマンドのタイプ コマンドアイテムの種類です。
ボタンのタイプ コマンドアイテムがコマンドバーにどのようなボタンとして追加されるかを決定します。

ボタン  通常のボタンです。
ドロップダウン ボタン  メニューを表示するボタンです。ボタン自体はコマンドを実行できません。
スプリット ボタン  コマンドを実行する部分と、メニューを表示する部分の両方を持つボタンです。
アイコン パス ボタンのアイコンに使われるアイコンリソースや画像ファイルのパスです。jpg, pngファイルなどの画像ファイルや、icoファイル、リソースをもったdllファイル等からアイコンを取得することができます。
キーボード ショートカット コマンドアイテムにキーボードショートカットを割り当てることができます。Escキーで解除。
ラベルを表示する コマンドボタンがツールバーに追加されたとき、テキストラベルを表示します。
アイコンを表示する コマンドボタンがツールバーに追加されたとき、アイコンを表示します。アイコンを表示しない設定のときはかならずテキストラベルが表示されます。
スクロールしないよう左/上に固定する コマンドボタンがツールバーに追加されたとき、ボタンを横ツールバーの左、縦ツールバーの上に固定してマウスホイールやドラッド&ドロップで他の部分に移動できないようにロックします。

タイプごとのオプション

ファイル コマンド
パス 実行するファイルへのフルパスです。%windir% などの環境変数も使用できます。
引数・作業フォルダ 実行ファイルへ渡す引数や作業フォルダを指定します。詳しくは 高度なコマンド を参照してください。
Verb このファイル コマンドのアクションが「シェルで実行」の場合に実行されるVerbです。Verbとはopenやeditなどの文字列で、一般にファイルタイプごとにレジストリに登録されています。
アクション コマンドの実行方法を指定します。特にフォルダの場合にどのようにタブを開くかを指定します。
ネットワークのタイムアウト パス欄で指定されたファイルやフォルダがネットワーク上にあるときに待機する最大秒数です。
ネットワークパスの解決をスキップ パス欄で指定されたファイルやフォルダがネットワーク上にあるときに、アイコン等の情報を取得しなくなります。
このアイテムに対するファイルのドロップを許可する フォルダ ビューでドロップしたときと同様な効果が発生します。
子アイテムの代わりにフォルダ内のファイルをボタンメニューに展開する ボタンのタイプがドロップダウン系のときにサブフォルダメニューのようにファイルを展開して表示します。
グループ
グループ このコマンドで開くグループを指定します。複数指定可。
アクション コマンドの実行方法を指定します。どのようにタブを開くかを指定します。
子アイテムの代わりにグループのメンバー
をボタンメニューに展開する
ボタンのタイプがドロップダウン系のときにグループを展開して表示します。
アドバンスト コマンド
コマンドID スクリプティング コマンド を一つ指定します。
引数 コマンドへ渡す引数を指定します。最大で8個指定することができます。詳しくは 高度なコマンド を参照してください。

子コマンド

各コマンドアイテムは、複数のコマンドアイテムを子として持つことができます。親コマンドアイテムの ボタンのタイプ が ドロップダウン ボタン や スプリット ボタン のとき、メニューに子コマンドを表示することができます。
また 高度なコマンド を利用することで、子コマンドや、親を同じくする兄弟コマンドの戻り値を利用してコマンドを実行することができます。

高度なコマンド

ファイル コマンド や アドバンスト コマンド は、引数や作業フォルダに実行時に決定される値を指定することができます。そのためには特殊な記号を引数テキストボックスに入力します。
記号 説明
%f% フォルダービューで選択されているファイルのフルパスに置換されます。二重引用符に囲まれ、複数時は"path1" "path2"... のように、半角空白によって連結されます。
%d% フォルダービューで選択されているフォルダーのフルパスに置換されます。二重引用符に囲まれ、複数時は"path1" "path2"... のように、半角空白によって連結されます。
%s% フォルダービューで選択されているファイルやフォルダのフルパスに置換されます。二重引用符に囲まれ、複数時は"path1" "path2"... のように、半角空白によって連結されます。
%c% 現在のフォルダーのフルパスに置換されます。パスに空白を含む場合、二重引用符に囲まれます。
%cd% フォルダービューで一つのフォルダーが選択されている時にはそのフォルダーのフルパス、それ以外の場合には現在のフォルダーのフルパスに置換されます。パスに空白を含む場合、二重引用符に囲まれます。
%n% フォルダービューで一つのフォルダーまたはファイルが選択されている時にはそのアイテムの名前に置換されます。

引用符で囲まないことで他の文字列と連結したいときには以下を用いることができます。
記号 説明
%F% フォルダービューで選択されているファイルのフルパスに置換されます。複数時は"path1" "path2"... のように二重引用符に囲まれ、半角空白によって連結されます。一つのファイルの場合は引用符で囲まれません。
%D% フォルダービューで選択されているフォルダーのフルパスに置換されます。複数時は"path1" "path2"... のように二重引用符に囲まれ、半角空白によって連結されます。一つのフォルダーの場合は引用符で囲まれません。
%S% フォルダービューで選択されているファイルやフォルダーのフルパスに置換されます。複数時は"path1" "path2"... のように二重引用符に囲まれ、半角空白によって連結されます。一つのアイテムの場合は引用符で囲まれません。
%C% 現在のフォルダーのフルパスに置換されます。パスに空白を含む場合も二重引用符に囲まれません。引数として渡すとき、半角空白によって複数の引数として解釈されてしまうことがあるので、自分でくくる必要があります。
%CD% フォルダービューで一つのフォルダーが選択されている時にはそのフォルダーのフルパス、それ以外の場合には現在のフォルダーのフルパスに置換されます。いずれの場合も二重引用符に囲まれません。引数として渡すとき、半角空白によって複数の引数として解釈されてしまうことがあるので、自分でくくる必要があります。

子コマンドや、兄弟コマンドの戻り値を取得する場合は以下を指定します。
実行される親コマンドが引数を評価するときに子/兄弟コマンドは実際に実行され、その戻り値に置き換えられます。
戻り値は文字列とは限らず様々なオブジェクトでありえるので、それが実際に正しく引数として受け入れられるかは呼び出し元のコマンドの種類によります。
記号 説明
%#1%
%#2%
%#3%... などなど
数字で指定された位置の子コマンドの戻り値に置き換えられます。
%&1%
%&2%
%&3%... などなど
数字で指定された位置の兄弟コマンドの戻り値に置き換えられます。
兄弟コマンドとは、親を同じくするコマンドのことです。番号は自分自身を含んだ番号です。もちろん自分自身の戻り値は無視されます。
%$0%
%$1%
%$2%... などなど
数字で指定されたデータスロットのデータによって置き換えられます。
データスロットはフォルダーウィンドウごとに管理され、SetDataコマンドによってスロットに設定することができます。

Tips

・コマンドアイテム は、ひとつずつファイルにエクスポートすることができます (コンテキストメニュー → エクスポート)。 複雑なコマンドもファイルにすれば簡単に配布することができます。
・使わないコマンドは、オプション ウィンドウのコマンドバー のページにドロップすることでプールしておくことができます。
・プールしておいても登録したキーボードショートカットは有効なままなのです。



QTTabBar 512, 2014-06-01, http://qttabbar-ja.wikidot.com